展示会に出展する大きな目的の一つに、見込み顧客の獲得があります。ブースを訪れた来場者と名刺を交換し、将来的な商談につなげるためには、見込み顧客に合わせたアプローチ方法が必要になります。
こうした見込み顧客の情報を獲得するうえで、アンケートの実施は有効であると言えます。なぜならアンケートを通じて得られた情報をもとに、営業担当者が各見込み顧客にアプローチをすることで、商談につなげやすくなるからです。
そこで今回は、展示会アンケートの目的とそのつくりかたについてご紹介します。
ブースを訪れた見込み顧客が、自社の商品やサービスにどれだけ魅力を感じ、興味を持っているのかをアンケートで明らかにすることで、リードへのアプローチ方法や優先度を決めることが可能になります。
例えば、興味関心が強く、今すぐ商談を行うことができるような見込み顧客には、営業担当者がすぐに電話にて商談のアポ取りをする。
興味はあるがもう少し検討の時間が必要なリードには、資料送付やお礼メールを送る。
現段階ではあまり興味はないが、将来的に商談の可能性があるリードには定期的なメール配信を行うなど、アンケートで得られた情報をもとに確実なアプローチを実施することができます。
見込み顧客のニーズを把握する際にも、アンケートは欠かせません。
見込み顧客がどのような課題を抱え、どのような製品サービスを必要としているのか、さらにどの担当者が最終的な決定権を持っているのか。
こうした見込み顧客のニーズを、アンケートを通じて得ることで、営業担当者がスムーズに商談の交渉を行うことができます。
ブースを訪れた来場者にアンケート用紙とペンを配り記入してもらうという、最も一般的な方法です。
ブースの担当者が少ない場合や予算の少ない時に便利な方法ですが、来場者からすると時間と手間がかかるため、来場者がすべての質問項目に答えないままアンケートを提出する可能性があります。
iPadなどのタブレット端末を使用したアンケート収集方法です。
アンケート用紙への記入とは違い、タブレット端末の場合、回答に時間があまりかからず、また出展企業も簡単にアンケート結果をデータ化することができるというメリットがあります。
ブースの担当者が、見込み顧客と直接ヒアリングを行いながらアンケートシートに記入するという方法で、来場者と個別にヒアリングを行うことができるので、筆記式のものと比べて、より正確な情報を得ることができます。
デメリットとしては、担当者の数や担当者のヒアリング能力によって、得られる情報の数や内容に偏りが生じる可能性があります。
QRコードからアクセスするWEBアンケートです。 担当者が自社ブースにてQRコードを見せたり、QRコード付きの配布物を配ることで来場者にアンケートへの記入を促します。
デメリットとしては、その場でアンケートに記入してもらえるアンケート用紙や、タブレット端末と比べて、アンケート回答数が少なくなる可能性があります。
展示会来場者は、複数のブースを短時間で周るため、各ブースに多くの時間をかけることができません。
そのためアンケートの設問はできるだけシンプルにわかりやすく、そして記述式ではなく選択式にしましょう。
また情報をたくさん集めようと、ついつい設問数を増やしてしまいがちですが、アンケートで質問する項目数は、最小限の内容に絞ったものにしましょう。
BANT条件とは、Budget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(必要性)、Timeframe(導入時期)という4つの頭文字をとったもので、商談を目的にしたアンケートによく用いられます。
見込み顧客がどの程度の予算を想定しているのか、またどれくらいの予算を用意できるのか確認しましょう。
予算がある程度確保されている場合は、見込み度が高いと言えます。
ブースを訪れた来場者がどの程度の決定権を持っているのかを確認することで、その後のアプローチを効率的に考えることができます。
来場者が決定権を持っている担当者なのか、それとも社内の別の担当者が決定権を持っているのか。
アンケートに役職の項目を設けることで、こうした決定権を推測することができます。
来場者の来場目的を様々な角度から聞き出しましょう。
来場者がどのような製品サービスに関心を持っているのか、またどのような課題を抱えているのか。こうした来場者の自社商品に対するニーズを把握することで、その後のアプローチに役立たせることができます。
導入の検討有無に加えて、具体的な導入時期について聞き出しましょう。
自社商品に対して興味関心がある場合、具体的にいつごろの導入時期を想定しているのか。こうした導入時期に関する質問項目を設けることで、その後のアプローチがしやすくなります。
アンケートから得られる情報は、その後の見込み顧客の絞り込みやフォローアップに非常に役に立ちます。ぜひ効果的なアンケートを作成し、展示会出展の費用対効果を最大化しましょう。
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